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ファーマー

Author:ファーマー
風とともに生きよ。 土とともに暮らそう。
3万円で軽トラ買いました。

※協調性はありません
※予想の斜め上をいくような、ぶっ飛んだコメントお願いします


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何度目かの期間工である。工場は二交代、三交代の勤務としている所が多いのだが、今回は日勤のみという事でとても給料が安い。ここへ落ちるのはこれで最後にしよう。毎度そう思ってはいるのだが、人生行路、思うようには行かぬ、が人生である。

酒を断つ。そう決めた。私は酒好きであってアル中ではないのだ。日が沈むまでは飲まない、という自主ルールもほとんど守れている。酒が無いなら無いで諦める事が出来る。そもそも就労期間中は、気が張っているのと、疲労のせいで、飲むとすぐ寝てしまうのである。そうなっては時間が勿体無いので酒は持って来なかった。

私の同期は、若くてよく騒ぐ四人組、倒れたキャリーバッグを起こして上げた時に「シェイシェイ」と言った女性二人組、私と同じく影の薄い三人、男性か女性か判別できない、山のように大きな人の十人であった。

その影薄い一人と相部屋になった。私とそう歳が離れているというわけでも無いのだが、春風のように爽やかな顔立ちで、酒も煙草も博打も女遊びもせず、フットサルが趣味という真面目な好青年であり、比較すればどうしても私のおっさん臭さが、より明確に浮かび上がり、とても気が合いそうにない。

チューハイとビールが売っている自販機が目に留まる。飲みたい方を選ぶとすれば、ビールなのであるが、三百円は高い。氷結なら二本買える。勿論買うつもりなど無いのだが、考えているにうちに何故か手には冷えた氷結が握られており、これには自分でも驚いた。買ってしまったものは仕方ないので、少しでも酔うために空きっ腹に流し込み、漬物だけで白米を掻き込んで、残った惣菜でちびちび飲んだ。一本では足り無い。毎日働いているのである。二本までなら許そうではないか。そう決めた。食堂から自販機へ買いに走る。面倒臭い。こんな事をするなら、端から氷結を買って行けば良いのだ。

結局は、食堂の隅で、テーブルに三本の氷結の缶を並べつつ、夕飯を食うようになった。中の良い者達で集い、楽しげな時間を過ごす中で、無為な時間を過ごしているのは私だけである。客観的に見れば不気味な姿として映るであろう。我自身を不気味に思っているのだから。台湾女性は見目麗しいのが多いが、この場にいる女性達も例外ではなく、地上の汚れを知らぬまま、高山の風に靡く花のようで、その風姿を肴として飲む事を密やかな楽しみとしていたのだが、パーマを充てた騒がしい男達との、片言の日本語を用いた関わりが頻繁に目につくようになり、地上の汚れに染まっていく事へか、締めのウイスキーが無く飲み足り無い事へか、どちらとも付かぬ寂寥を覚え、虚空を見つめつつ最後の一滴まで飲み終えた後は、空き缶を回収ボックスへ捩じ込み、爽やかな青年が待つ部屋へ引き揚げるだけの日々である。

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