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ファーマー

Author:ファーマー
風とともに生きよ。 土とともに暮らそう。
3万円で軽トラ買いました。

※協調性はありません
※予想の斜め上をいくような、ぶっ飛んだコメントお願いします


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酔って絡んで記憶を飛ばすという最低な行いの反省と自重をし、誰とも会うまいとこそこそ食堂へ行きひっそりと飯を食べるという日々が続いていたところ、例のメンバーの女性の一人に見付かってしまい、そのまま一緒に飯を食べることになった。というより私はもう食べ終えていたので、仕方なく相手が食べ終えるのを待っていた。酔って記憶を飛ばしている身。あの時自分が何をしでかしているのかわからず、恥ずかしいやら恐いやら所在ないやら不安やらでたまらなかった。それでなくとも軽度のアル中なので、素面では手が震えるのである。つい言ってしまった。
「ちょっとだけ飲もうか?」
その女もまた酒好きである。私は部屋へワインを取りに戻って、S青年と、同室になっているもう一人に助けを求めるように誘い四人で飲み始めた。

女が煙草を吸いに行った隙に、これ以上酔って同じ過ちを繰り返さぬよう私は逃げるように部屋へ戻った。二人もすぐに戻ってきた。これで一件落着したかのように思って安堵していたところ、一人食堂に取り残されているであろう女からLINEがきた。
「ファーマーのアホ!(怒)」

以前飲んだ時に散歩に行きたがっていたが、雪が降っていて行けなかったということがあったので、怒りを宥めるために夜の散歩に誘った。星が綺麗だった。私はそっと缶ビールを差し出し、二人は空を見上げながら時折ビールを口に運び、雪によろけながら山の方へ向かって歩いた。女の手を取ったら冷たくなっており、その手を掴んだまま私の上着のポケットへ捩じ込んだ。寒空の下かなりの距離を歩いたであろう、私は五回程立ち小便をした。その様はロマンチックでもなんでもなかった。

中学の遠足だったろうか、牛窓へ行った時に見た満天の星空の話をした。宇宙の広大さにあまりに自分が小さく思え、恐怖してしまうくらい空一面に星が輝いていた。北斗七星の隣りでひっそりと輝くアルコルが見えた。流星群が見える日でもなんでもないが、流れ星を何度も見ることができ、目に映らないだけでこんなにも輝いていたことを初めて知った。星が降ってくるようで一つ一つに手を伸ばせば届きそうだった。ニヒルでひねた思春期の真っ只中であったが、素直に感動して、いつまでも見入っていた。そんな話を酔ってワーワーと大声で喋る様はロマンチックとは程遠かった。

ベッドに横たわると、私の寝巻きから女のシャンプーと煙草の匂いがほんのりと香ったが、それよりも雪の上で飲むビールのうまさを思い出しながら眠りについた。

後日、同じような流れからまた散歩へ誘った。その日は出掛ける前から既に酩酊していたが、更に三本のビールを二人で飲みながら歩いた。酔って転んで雪にはまって女に助けを求めた。ロマンチックではなかった。飲み過ぎて記憶は飛んだ。

翌日から女に露骨に避けられるようになってS青年からは大笑いされた。

そんなS青年も期間満了となり辞めていった。S青年とは色々な話をした。仕事の愚痴。この生活の愚痴。バイクの話。女の話。宗教観。お互いの欠点、長所。来し方行く末。何故S青年がS青年であるかということ。何故私が私であるかということ。
「ファーマーは友達と思っているで」
一緒に飲んだときにそう言われて初めて、この歳になって新たな友達が出来ていたことを知った。いつの日か一緒にツーリングへ行くこと、もうこんなところに落ちないこと、どんな形であれ成功すること、三つの約束を交わした。僅かであるが餞別として少し包み、街まで出てS青年を見送ったあとはいつも通り例の仕事へと向かった。

コメント

よし、それでいい。
一生忙しくすることです。
小人閑居して不正を為す。
君に自由は向いてない。

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